日記/2009-11
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2009-11-28
もろもろガイド 80年代の20枚+20本+10冊+10冊
スタジオ・ボイス374号(2007年2月号)の特集は、「CUT UP 80's リヴァイヴァル以降の『80's カルチャー』総括!」。当然この特集にもディスク・ガイドがあります。今まで、「ゼロ年代の100枚」、「90年代の90枚」ときたので、80年代は80枚かと思いきや、ここは20枚。それだとちょっと少なくてさみしいので、同じ特集内でセレクトされてた映画と本も一緒にリストにしてみました。
レコード、映画、本、それぞれで内容が少しずつ違いますが、基本的には、Discogs、YouTube、Amazon、Yahooでの検索結果を示したものです。今まで同様、各々の検索結果があさってのものになっていることもあるかと思いますが、そこは笑って許してやってください。
リストの前に、本文中に書かれていた短い解説文も引用しておきました。レコードのリストの解説文は、まさに自分のことが書かれてるんじゃないかと思いました。ちなみに私はFMレコパル派でした。
それぞれの選者は、レコードが北沢夏音、映画と日本文学が編集部、アートブックが楠見清。
ニューウェイブもヒップホップもあった80年代の20枚!
81年に開局し、80年代チャートを牽引したMTVが1曲目に流したヴィデオ・クリップは、言うまでもなくバグルスの「ラジオスターの悲劇」であった。しかし、日本の<80年代の子供たち>に共通する音楽体験といえばラジオの「エアチェック」だろう。2週間分の番組表が載っている「FM情報誌」を頼りに、蛍光ペン片手に目を皿のようにして選曲リストをチェックし、気になる曲はすべてテープに録って繰り返し聴いた。90年代にほぼ壊滅してしまうFM情報誌は、如何なる音楽誌にも勝るヤング・パーソンズ・ガイドだった。洋邦の垣根なく、ポップミュージックの歴史を初心者にもわかりやすく伝えてくれる取材記事や特集が組まれ、ベーシックな大系が自然と身についた。当時全盛の「貸しレコード屋」では、当時の最尖端メディア「12インチシングル」を中心に借りた。そのうちラジオではかからない「インディーズ」のソノシートや7インチを求めて、少し上の世代や同世代のバンドのライヴを観に、街へ繰り出すようになる。十代から二十代にかけての多感な時期。音楽を享受することに関して、あれほど純粋だった時代はない。
Page | Artist | Album | Label | Year |
---|---|---|---|---|
80sDisc/1 | RCサクセション | ラプソディー | キティ | 1980 |
80sDisc/2 | YMO | 増殖 | アルファ | 1980 |
80sDisc/3 | ザ・フィーリーズ | クレイジー・リズム | スティッフ | 1980 |
80sDisc/4 | 近田春夫&ビブラトーンズ | ミッドナイト・ピアニスト | 日本コロムビア | 1981 |
80sDisc/5 | ブロンディ | 軌跡! ザ・ベスト・オブ・ブロンディ | クリサリス | 1981 |
80sDisc/6 | グランドマスター・フラッシュ&ザ・フューリアス・ファイヴ | ザ・メッセージ | シュガーヒル | 1982 |
80sDisc/7 | プリンス | 1999 | ワーナー・パイオニア | 1982 |
80sDisc/8 | ジョー・ジャクソン | ナイト・アンド・デイ | A&M | 1982 |
80sDisc/9 | V.A. | ブリュッセルより愛をこめて | クレプスキュール | 1983 |
80sDisc/10 | 佐野元春 | ノー・ダメージ | EPICソニー | 1983 |
80sDisc/11 | 大沢誉志幸 | コンフュージョン | EPICソニー | 1984 |
80sDisc/12 | カルチャー・クラブ | カラー・バイ・ナンバーズ | Virgin | 1983 |
80sDisc/13 | アート・オブ・ノイズ | 誰がアート・オブ・ノイズを… | ZTT | 1984 |
80sDisc/14 | ザ・スタイル・カウンシル | カフェ・ブリュ | ポリドール | 1984 |
80sDisc/15 | プリファブ・スプラウト | スティーヴ・マックイーン | キッチンウェア | 1985 |
80sDisc/16 | ニュー・オーダー | サブスタンス | ファクトリー | 1987 |
80sDisc/17 | スザンヌ・ヴェガ | 孤独(ひとり) | A&M | 1987 |
80sDisc/18 | ザ・ストライクス | ザ・マン・ウィズ・ザ・ゴールデン・ラムロッド | ミントサウンド | 1987 |
80sDisc/19 | ピチカート・ファイヴ | ベリッシマ! | CBSソニー | 1988 |
80sDisc/20 | 真島昌利 | 夏のぬけがら | メルダック | 1989 |
今なら絶対ハズさない80年代娯楽映画20!
今見ると当時の雰囲気を回顧できるといったものではなく、今見てみると文句ナシに面白いという映画。
Page | Director | Title | Label | Year |
---|---|---|---|---|
80sFilm/1 | トビー・フーパー | ファンハウス | 米国版 | 1981 |
80sFilm/2 | リドリー・スコット | ブレード・ランナー | ワーナー・ホーム・ビデオ | 1982 |
80sFilm/3 | スティーヴン・リスバーガー | トロン | 米国版 | 1982 |
80sFilm/4 | ヴェルナー・ヘルツォーク | フィッツカラルド | 東北新社 | 1982 |
80sFilm/5 | デヴィッド・リンチ | デューン/砂の惑星 | 米国版 | 1984 |
80sFilm/6 | ヴィム・ヴェンダース | パリ、テキサス | 東北新社 | 1984 |
80sFilm/7 | ジョン・ミリアス | 若き勇者たち | 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン | 1984 |
80sFilm/8 | ジョン・ヒューズ | ブレックファスト・クラブ | ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン | 1985 |
80sFilm/9 | ジョージ・ミラー&ジョージ・オグリビー | マッドマックス/サンダードーム | ワーナー・ホーム・ビデオ | 1985 |
80sFilm/10 | ジャン=リュック・ゴダール | 右側に気をつけろ | ハピネット・ピクチャーズ | 1987 |
80sFilm/11 | 深作欣二 | 復活の日 | 角川エンターテインメント | 1980 |
80sFilm/12 | 鈴木清順 | ツィゴイネルワイゼン | ジェネオンエンタテインメント | 1980 |
80sFilm/13 | 富野由悠季 | 伝説巨神イデオン接触篇/発動篇 | タキコーポレーション | 1982 |
80sFilm/14 | 大島渚 | 戦場のメリークリスマス | ポニーキャニオン | 1983 |
80sFilm/15 | 澤井信一郎 | Wの悲劇 | 角川エンタテインメント | 1984 |
80sFilm/16 | 伊丹十三 | タンポポ | ジェネオンエンタテインメント | 1985 |
80sFilm/17 | 原一男 | ゆきゆきて神軍 | ジェネオンエンタテインメント | 1987 |
80sFilm/18 | 大友克洋 | AKIRA | ジェネオンエンタテインメント | 1988 |
80sFilm/19 | 黒沢清 | スウィートホーム | 廃盤 | 1989 |
80sFilm/20 | 北野武 | その男、凶暴につき | バンダイビジュアル | 1989 |
今なら絶対ハズさない80年代日本文学10!
日本文学史上重要な作品という視点ではなく、単純に、今読んで面白い小説。
Page | Author | Title | Publisher | Year |
---|---|---|---|---|
80sBook/1 | 古井由吉 | 槿 | 講談社 | 1983 |
80sBook/2 | 中上健次 | 日輪の翼 | 小学館 | 1984 |
80sBook/3 | 安部公房 | 方舟さくら丸 | 新潮社 | 1984 |
80sBook/4 | 村上龍 | テニスボーイの憂鬱 | 集英社 | 1985 |
80sBook/5 | 高橋源一郎 | ジョン・レノン対火星人 | 講談社 | 1985 |
80sBook/6 | 中森明夫 | 東京トンガリキッズ | 角川書店 | 1987 |
80sBook/7 | 村上春樹 | 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド | 新潮社 | 1988 |
80sBook/8 | いとうせいこう | ノーライフキング | 新潮社 | 1988 |
80sBook/9 | 金井美恵子 | 小春日和 | 河出書房新社 | 1988 |
80sBook/10 | 開高健 | 珠玉 | 文藝春秋 | 1990 |
今なら絶対ハズさない80年代アートブック10!
時代を推し進め、90's〜00's アート・シーンの先駆をも浮き彫りにする、アートブックの名著10冊。
Page | Author | Title | Publisher | Year |
---|---|---|---|---|
80sArtBook/1 | 谷川晃一 | アール・ポップ | 冬樹社 | 1980 |
80sArtBook/2 | 佐野山寛太 | ガジェット・ブック 世紀末ビョーキ文明オモシロ最先端図鑑 | 宣伝会議 | 1983 |
80sArtBook/3 | トム・ウルフ | 現代美術コテンパン | 晶文社 | 1984 |
80sArtBook/4 | Laurie Anderson | United States | Harper Colophon Books | 1984 |
80sArtBook/5 | 千葉成夫 | 現代美術逸脱史 | 晶文社 | 1986 |
80sArtBook/6 | 細野晴臣 後藤繁雄 | F.O.E MANUAL | 扶桑社 | 1986 |
80sArtBook/7 | Peter Frank | New Used & Improved | Abbeville press | 1987 |
80sArtBook/8 | Sal Lopes | The Wall | Collins | 1987 |
80sArtBook/9 | Germano Celant | Unexpressionism | Rizzoli | 1988 |
80sArtBook/10 | 北澤憲昭 | 眼の神殿 | 美術出版社 | 1989 |
2009-11-23
バレエ・メカニック
本の雑誌(318号) | |
本の雑誌社 | |
楽天 Amazon |
先日に続いて、本の雑誌から。
本の雑誌318号(2009年12月号)の「新刊めったくたガイド」、大森望担当部のタイトルは「津原泰水の幻想SF『バレエ・メカニック』をイチ押しだ!」というもの。以下適宜抜粋して引用する。
この秋は、日本SFの話題作・勝負作が早川書房からどかすか出ている。中でも当欄イチ押しは、待望久しい津原泰水の幻想SF長編『バレエ・メカニック』(早川書房一七〇〇円)★★★★★。
小説の核は、9年前から眠りつづける16歳の少女、理沙。
ちなみに題名の出典はフェルナン・レジェが1924年につくった実験映画
(およびジョージ・アンタイルの同名曲)だが、
坂本龍一もそれに刺激されて同タイトルの曲をつくり
(中谷美紀「クロニック・ラヴ」の原曲)、
岡田有希子にも(別題で)提供している。
理沙が(四谷で死ななかった)もうひとりの岡田有希子だと思って読むと、中年読者的には妙に感慨深い。
Wikipediaの記事によると、岡田有希子が所属事務所のサンミュージックが当時入っていた四谷4丁目のビルの屋上から飛び降り自殺したのは1986年。彼女は18歳だった。
月日が経つのは早い。
なお、大森の文章からはわかりにくいが、まず岡田有希子への楽曲提供(1986/03/21発表のアルバム「ヴィーナス誕生」収録)、坂本龍一自身がセルフ・カバー(1986/04/21発表のアルバム「未来派野郎」収録)、中谷美紀への提供(1999/02/10発表同名シングル)、という順である。
関連ページ
2009-11-19
あなたには言えない
本の雑誌316号(2009年10月号)の巻末近く、「今月書いた人」という執筆者紹介のコーナーで、穂村弘がこう書いている。
『有言実行三姉妹シュシュトリアン』をテレビでやっているとつい観てしまいます。矢野顕子のエンディングテーマをバックに三姉妹がウエディングドレスで遊園地にいる映像が好き。
これですな。
矢野顕子の名曲「あなたには言えない」。
「有言実行三姉妹シュシュトリアン」が放送されていたのは1993年のこと。
三姉妹が乗っているメリーゴーランドは横浜ドリームランドのものだが、ここは2002年に閉園。メリーゴーランドや観覧車はとうの昔の取り壊され、跡地は横浜薬科大学や公園、野球場、霊園などになっている。
三姉妹の長女山吹雪子役の田中規子と、三女山吹花子役の広瀬仁美はすでに芸能界を引退。
月日が経つのは早い。
YouTubeで、シュシュトリアン最終回放映直後、1993年11月9日のライブでのパフォーマンスも見つけた。素晴らしい。
以下、おまけ。
シュシュトリアンに関するWikipediaの記事に以下のような一節がある。
翌1994年、広瀬仁美が鶴姫役でレギュラー出演していた『忍者戦隊カクレンジャー』第35話に田中規子と石橋桂がゲスト出演。それらしきセリフとともにシュシュトリアンの決めポーズを見せるセルフパロディで、『百獣戦隊ガオレンジャー vs スーパー戦隊』にも、ヒロイン名場面の一つとして採用されている。
これですな。
2009-11-10
漱石と隻腕の学生・続
非難
先に「漱石と隻腕の学生」を書くにあたって、図書館でしらべものをしたときに見つけた「夏目漱石研究資料集成」(全10巻+別巻1)を、気が向いたときに1巻ずつ借り出しては、ぼちぼちと読んでいる。これは、明治26年から昭和20年にかけて新聞や雑誌に掲載された、漱石に関する記事や論文などをまとめたもの。
千駄木の夏目家の表札に誰かが猫の絵を落書きすると、翌朝もう一匹書き加えられていたというどうでもいいゴシップとか、江口渙が「モデル小説」と題した文章の中で、森田草平や阿部次郎や鏡子夫人のことをのきなみボロクソに書いてたりとか、なかなかに面白いが、やはり気になるのは懐手事件のこと。
まだ11巻すべてに目を通した訳ではないが、それでもこの事件についての文章はいくつも収められていて、いろんな人がいろんなことを書いていることがわかる。
最初に見つけたのは、第1巻に収録されている、『読売新聞』明治40年11月17日掲載の白雲子という署名のある記事「漱石の人物と其作物」というもの。懐手事件が起こったのは明治37年か38年のことであり、この記事はかなり早い時期のものである。なお、引用文中のくの字点を使わないようにするなど、一部、仮名遣いを改めた(他の引用部も同様)。
▲先ず漱石の人物から評する。一口に云へば彼は変人である。夫子自身は如何思つて居るか知らんが、世間は大體此に一致する。彼の大学教授として英文学を講ずるや、学生のうちに懐手をし乍ら講義を聴いて居たものがあつた。之を見ると先生つかつかと講壇を降りて、其の無禮を咎め強ひて手を出させやうとしたが、其生頑として応ぜず、雙方睨合のまゝ別れて講壇に登ると、他の学生某生の為めに辯じて、其の工科に在つて右手を傷け、轉じて文科に来れるものなることを云ふと、漱石きまり悪げに顔を赧めたが暫くすると、「自分も無い頭脳を絞つて小説を書いているから、君も無い腕位出して見せるが可い」と、かゝる場合這麼言葉は些風変わりの人物でなければ云へ無いことである。喧嘩に負けた犬の逃げがけに吠えると同じ理合か如何かは、読者の判定に任せる。此は単に彼の変人たる一例を挙げたに過ぎない。
この後もこの記事はひたすら漱石への誹謗中傷悪口雑言が続くわけだが、その一節に「(大学で教鞭を執っていたにもかかわらず)其のうち『猫』を顕はして名を出すと、東京朝日が高金を出して傭ひに来る。二つ返事で新聞屋になつて了ふ」とある。つまり、読売も勧誘運動をしていたにもかかわらず、漱石が朝日に入社してしまった、そのことに対する鬱憤晴らしの記事なのである。
読売の漱石に対する悪意を割り引いても、漱石のこの言葉が、「些風変わりの人物でなければ云へ無いこと」であり、「喧嘩に負けた犬の逃げがけに吠えると同じ」だと世間に受け取られることも十分あり得るということが、この記事からは読み取れる。こちらで紹介した「日本文壇史 9 日露戦後の新文学」でも、世間の人々に「『夏目といふ男はひどい奴だ。人の子の不具を材料にして洒落を吐く』と言つて非難」されたとされている。
擁護
これに対して、第3巻収録の、『新思潮』第2巻第2号(大正6年3月)の岡栄一郎「漱石先生の追憶 [3] 夏目先生を偲ぶ」では、この逸話の世間での受け取られ方に対する不満が以下のように述べられている。
先生の逸話として傳はつてゐる中に、随分変な解釋を下したゐるのがあります。朝日新聞にも出てゐましたが、先生がまだ大学で講義をしてゐられた時、片腕を懐手にしてゐる学生に向つて、手をお出しなさいと云はれましたが、後でその人が片腕のないとふをお聞きになつて、「無い袖は振られぬといふ事があるが、己は出来ない講義を無理にしてゐるのだから、あの人だつて無い腕を出したつていゝちやあないか」といふやうな事を御しやつたのを、単に言葉の洒落とばかり解釋してしまつてゐるのは、甚だ面白くない事に思ひます。この先生のお話の中には何とも云へない悲痛な心持ちが出てゐるのに気が附かないのでせうか。非常に気の毒な事をしたと、平たく云つてしまふより、どれだけ喜しい心持ちが出てゐるのか分らないのでせうか。これは大変遺憾な事だと思ひます。誰もその事をお書きにならないから、甚だ失禮ながら私が辯じたくなつたのです。この話なぞが本当のヒウモアといふものだらうと思ひます。
さらに、ほぼ同じ趣旨でより詳細な分析というか解説がなされた小宮豊隆の文章「漱石先生のてれ隠し」(『大阪朝日新聞』昭和9年6月12日)が第6巻に収められている。少し長いが以下に引用する。
漱石先生がまだ大学で講義をしてゐた時分、ある日先生が、自分の講義を懐手をして聴いてゐる学生を、ひどく叱りつけたことがあつた。然るにその学生は、実は片腕のない学生で、懐手をするもしないもなく、さうしてゐるより仕方のない学生であつた。はたの学生が、そのことを先生に注意した。すると先生は、僕はない智恵を絞つて講義をしてゐる。君だつて、ない腕ぐらゐ出して聴いたつていゝぢやないか、といつた。 ―これは先生の逸話として、先生歿後だいぶ有名になつた話である。大抵な人はこれを知つてゐるのではないかと思ふ。しかしこの話には、まだ先があつた。それを私もついこの頃になつて聴いた。それは、その、手がないのだといふことを、はたから先生に注意した学生が、先生のこの言葉を聴いて、夏目さんといふ人も随分ひどい人だと感じ、それを外の人にいつたといふことである。この学生は、もうだいぶ前に死んでしまつたが、私よりも一年上で私もよく知つてゐる学生である。正直で、おとなしくて、それでなかなか頑強なところもあつて、好い人だつた。その人が、先生のことをさういふ風に感じたまゝ、死んでしまつたのだといふのだから、私は何か情けないやうな心持になつた。一體どこをひどいと感じたものだらうと、それを教へてくれた友人に訊き直すと、いくらてれ隠しをいふにしても、これはあんまりひどすぎるといふのが、当人の主意らしかつた、といふ返事であつた。これを聴いて、私は更に遣る瀬がないやうな心持になつた。 自分の仕事に眞面目で忠実で、しかも禮儀の正しかつた先生は、自分の講義を懐手をして聴く、学生のだらけ切つた態度を、恐らく憎むべき態度だと思つたに違ひない。然し先生は不断教場で、それほど小言をいふ先生ではなかつた。この場合でも先生は、暫らくの間は、その不愉快を我慢して、相手が懐手をやめることを待つてゐたものと思はれる。しかし相手は手がないのだから、元より懐手をやめやうはなかつた。さういふことゝは少しも知らず、既に一つの方向に傾斜し始めてゐた先生の心が、いつまでたつてもその懐手をやめない学生を見て、たうとう爆発し終にその学生を叱りつける行動を取らせるに至つたことはまつたくやむを得ないことであつた。 然しそれとゝもに、純粋で愛に充ちてゐた先生が、その学生には手がないのだと聴いて、卒然として自分の行動を悔い、相手に対して実に済まない事をしたと思つたに違ひないことも、また想像に余りあることである。―それならば先生は、この際飜然として、相手に謝罪するがいゝではないかといふのが、恐らくそのはたの学生の意見であつたらうと思はれる。然し先生にはこの際、是れが出来なかつた。なぜなら、この時先生の心の中には、相手に対して気の毒に思ひ、実に済まなく思ふ心の傾斜とゝもに、それとは恰度反対な、相手を不都合に思ひ、相手を不愉快に思ふ、他の心の傾斜が、既に相手を叱りつけなければゐられなかつたほどの、急勾配をもつて、動いてゐたからである。先生はきつと、淡泊に相手に謝罪したかつたのだらうと思ふ。然し先生の内面をいへば、この時先生は、先生の中で猛烈な勢力をもつて衝突したこの二つの急傾斜のために二つのものが折衝され、決算され、協商が纏まるのでない限り、一つの傾斜だけに身を委ねることの出来ない、特殊な状態に置かれてゐたのである。然もこの際先生が、相手に対して何かいはなければゐられなかつた―黙つてゐることが出来なかつたのだとすれば先生はこの二つの心の傾斜のどちらからも身を飜して、無理にも第三の立場をとるより外に、道はなかつたのである。それだから先生は、相手を無視するとともに、自分自身をも無視し、世にも不合理な、無理なことをいふことによつて、自分も笑ひ、相手にも笑つてもらはうとしたものに違ひないと思はれる。 ―この笑ひには、かなり複雑な心持があつた。然もこの笑ひには、深い謝罪の、デリケートな和解の、私な申し出しがあつた。 然しこの申し出しは、多くの人によつて理解されないやうに見える。先生に注意した学生の純粋は或はこの笑ひの故に、眞面目なものを不眞面目に取り扱ふものとして、先生をひどい人だと感じたものかもしれない。然し、多少でも先生の人間に触れたことのある人であるならば、―先生の人間に触れるまでもなく、往々にして人は最も不合理なこと、もしくはその場合に最もふさはしくないことをいふことによつて、最も濃厚な情愛を相手に注ぎ出すものであるといふことを心得てゐる人であるならばこの際ほど先生が眞面目に、相手に済まないことをしたといふ感情を吐露したことはないといふやうなことを、すぐにも感じとることが出来るはずであると思はれる。勿論このところには、強ひていへば、先生の江戸つ子の臭ひや、俳人の臭ひなどが、出てゐなくもない、ともいへるかも知れない。しかしたとひさういふ臭ひがあつたとしても、それは、先生がひどい人であるといふことゝは、およそ關係のないことだつたのである。(終)
なお、関川夏央と谷口ジローの「『坊っちゃん』の時代」では、この注意した学生を鈴木三重吉だとしているが、鈴木の没年は昭和11年であり、小宮が昭和9年に書いた上記の文章で「もうだいぶ前に死んでしまつた」とする人物であるはずがない。よって、少なくとも小宮が「注意した学生」だとしているのは鈴木三重吉ではない。
隻腕の学生が魚住惇吉だということははっきりしているわけだが、ではこの注意した学生は一体誰なのだろうか?
変形
「夏目漱石研究資料集成」の第3巻には、漱石追悼のため大正6年1月に発行された『新小説』臨時号掲載の文章が多数収録されているが、その中で懐手事件に触れた文章として、東京朝日新聞の雑報記事、野上豊一郎、馬場孤蝶のものがある。
東京朝日新聞より転載したとされる無署名の記事「漱石先生の逸話」では、隻腕であることを、隣席の学生ではなく、その学生自身が漱石に告げたことになっているという点が少々変則的ではあるが、事件を簡潔に伝えるものになっている。
こちらでも書いたが、「大學教授時代(夏目漱石氏の一生 [11])」で野上豊一郎が伝えるところでは、隻腕だと聴いた後の漱石は黙ったままであり、「手を出せ」というような言葉を発していない(少なくともこの言葉は記されていない)。
「漱石氏に關する感想及び印象 [4] 追憶の断片」で馬場孤蝶は、又聞きであるとしながらも事件の顛末を詳しく記しているが、そこでは、注意しても学生は黙したまま手を出さないので仕方なく漱石はそのまま講義を終える。後日、別の学生が漱石宅までやってきて件の学生が隻腕であることを告げ、世に無い袖は振れぬと言ううんぬんと警句じみたことを言ったため、漱石が「無い手を出してもよかろう」と返した、ということになっている。
さらに変形されたものとしては、第9巻に、昭和13年2月8日の『都新聞』掲載の無署名の記事「けふの人 手の無い学生の話 我身につまされた神田伯龍」がある。講談師の神田伯龍へのインタビューの中で、彼が前夜読んでいた随筆物に懐手事件が出てきたとして、それが以下のように引かれる。
―ある室で講義をしてをられると、一人の学生が懐手をして講義を聞いてゐる。ノートもせずにぼんやりしてゐる。之を見た漱石先生が、ノートもせずに講義を聞くとは何事か、懐手を止めなさい、と怒つて云はれた、それでも件の学生は黙つてゐる、そして手を出さぬ。 すると、傍の学生が、この人は手がないのですと代つて云つた。先生益々怒つて、片方の手がないなら片方の手を出すのが当然ぢやないか、といふと、又傍の学生が、この人は兩手がないのだと答へたので、 先生も之には困つて、俺も無い頭から知恵をしぼつて出してゐるのだから、君もなんとかして手を出したらいゝだらうと嘆いたさうですが……。
ここではなんと件の学生は片手ではなく両手がないことになっているのである。
ちなみに神田伯龍も右手が不自由で、弁当がうまくつかえないので片膝を立てていたら師匠に殴られた、そのあと事情を知った師匠が恐縮してこぼれた飯粒を一粒一粒拾って弁当箱に入れてくれた、とこの記事は続く。
2009-11-8
YouTube プラグインのニコニコ動画外部プレイヤー対応
2009/10/29のニコニコ動画(9)の新機能対応で、外部プレイヤー対応がなされました。従来は、提携先のブログにのみ外部プレイヤーを埋め込むことができたわけですが、今回の対応でどこにでも埋め込めるようになりました。
そこで、FreeStyleWiki本家のサイトに投稿されているYouTube プラグインを、この外部プレイヤー対応に改造してみました。
と言っても、リンク先のURLを書き換えて、プレイヤーのデフォルトのサイズをYouTubeのと同じにしただけ。
--- YouTube.pm.org 2007-11-15 23:12:59.000000000 +0900 +++ YouTube.pm 2009-11-08 17:18:07.000000000 +0900 @@ -76,7 +76,7 @@ my $item = shift; my $id; - if ( $item =~ m/http:\/\/www\.nicovideo\.jp\/watch\/(sm[0-9]*)/ ) { + if ( $item =~ m/http:\/\/www\.nicovideo\.jp\/watch\/([a-z0-9]*)/ ) { $id = $1; } @@ -91,7 +91,7 @@ my $nicoID = getNicoID($item); - my $buf = "<iframe width=\"". $width . "\" height=\"". $height . "\" src=\"http://www.nicovideo.jp/thumb/" . $nicoID . "\" scrolling=\"no\" style=\"border:solid 1px #CCC;\" frameborder=\"0\"><a href=\"http://www.nicovideo.jp/watch/" . $nicoID . "\">【ニコニコ動画】</a></iframe>"; + my $buf = "<script type=\"text/javascript\" src=\"http://ext.nicovideo.jp/thumb_watch/".$nicoID."?w=".$width."&h=".$height."\"></script>"; return $buf; } @@ -108,8 +108,8 @@ $item = Util::escapeHTML($item); if (($item =~ m/^http:\/\/www\.nicovideo\.jp/ )) { - $width = ($width eq "")? 312 : int($width); - $height = ($height eq "")? 176 : int($height); + $width = ($width eq "")? 425 : int($width); + $height = ($height eq "")? 355 : int($height); $buf = embed_nicovideo($item, $width, $height); }
サンプル表示
サンプル表示は以下のようになります。
{{youtube http://www.nicovideo.jp/watch/1254473673}}
追記
本家のページにもコメントしておきました。
2009-11-4
ディスク・ガイド 90年代の90枚
スタジオ・ボイス休刊号(2009年9月号)掲載のディスク・ガイドをリストにした「ディスク・ガイド ゼロ年代の100枚」の最後に、「こうやってスタジオ・ボイスの記事をリストにする作業も、これで最後かと思うとなんだか悲しい……」と書いたが、よく考えると、本棚にたくさんあるバックナンバーを使えば済む話。
そこで、スタジオ・ボイス372号(2006年12月号)の特集「『90年代カルチャー』完全マニュアル CUT UP 90's」の中の、ディスク・ガイド「90年代の90枚」をリストにしてみた。
リストの各ページには、基本的に、Discogs、YouTube、Amazonでの検索結果を表示している。一部、Discogsでの検索結果の代わりにウェブサイトへのリンクが書いてあるだけだったり、YouTubeの動画がなかったりするページもあるが、それは、適切な検索結果が得られなかったから。例によって、各々の検索結果が、もうひとつ、あさっての内容を示していることもあるかと思うが、そこは温かい目で見ていただきたい。
セレクトはいくつかのカテゴリに分けて行われており、各々のカテゴリにつけられたタイトルとちょっとした解説、および選者は以下の通り。
- TOKYO 1-25
- トーキョーの25枚
- 90年代も「東京は世界一」だった?
- 岡村詩野、小野島大、南部真里
- OSAKA 26-45
- オーサカの20枚
- 大阪では『イカ天』は放送されていなかった
- 松本亀吉、吉本秀純
- CULT&LEGEND 46-50
- カルト/伝説の5枚
- カルトを発掘した再発熱と伝説化された音盤たち
- 湯浅学
- JAPANESE HIP HOP 51-60
- 日本語ヒップホップの10枚
- 黒船襲来!オリジナルを確立した日本語のフロウ
- 磯部涼
- JAZZ 61-65
- アウト・ジャズの5枚
- 90年代、ジャズも外にはみだしていった
- 土佐有明
- OVERSEAS 66-70
- 同時代の洋楽の5枚
- 5枚ではあまりにも少ないけど…
- 小野島大
- CLUB MUSIC 71-85
- クラブカルチャーの15枚
- アシッド・ジャズ、テクノ、ドラムンベース…90年代はダンスミュージックの実験場だった、国内でも
- 春日正信、國枝志郎、野間易通
- BEST HIT! 85-90
- ベストヒット90'sの5枚
- これが売れました!
- 三田格
スタジオ・ボイスのセレクトに対していつも思うことだが、それにしても知らないミュージシャンが多い。
でも、そうは言っても持ってるCDもけっこうある。Youtubeの動画をベタベタ貼ったが、幻の名盤解放同盟のヤツは持ってるなあ。チェックのためにひさびさに聴いて、また笑ってしまった。
Page | Artist | Album | Label | Year |
---|---|---|---|---|
90DISKS OF 90'S/1 | 三上寛 | 平成元年ライヴ(下) | PSF | 1990 |
90DISKS OF 90'S/2 | 岡村靖幸 | 家庭教師 | ソニー | 1990 |
90DISKS OF 90'S/3 | ヤマジカズヒデ | SUNDAY PAFFCE | SSE | 1991 |
90DISKS OF 90'S/4 | オリジナル・ラヴ | LOVE! LOVE! & LOVE! | 東芝EMI | 1991 |
90DISKS OF 90'S/5 | V.A. | イノセンス・アンド・ペパーミンツ | ラヴィン・サークル | 1991 |
90DISKS OF 90'S/6 | ブランキー・ジェット・シティ | BANG | 東芝EMI | 1992 |
90DISKS OF 90'S/7 | V.A. | 幻の名盤解放ボックス | Pヴァイン | 1992 |
90DISKS OF 90'S/8 | The ピーズ | とどめをハデにくれ | スピードスター | 1993 |
90DISKS OF 90'S/9 | GROUND ZERO | GROUND ZERO | God Mountain | 1993 |
90DISKS OF 90'S/10 | V.A. | Tokyo Flashback 3 | PSF | 1993 |
90DISKS OF 90'S/11 | 電気グルーヴ | ドラゴン | キューンソニー | 1994 |
90DISKS OF 90'S/12 | ギターウルフ | ランウルフラン | Less Than TV | 1994 |
90DISKS OF 90'S/13 | キング・オブ・オーパス | Revised | ワァクオヴァ | 1995 |
90DISKS OF 90'S/14 | ドゥーピーズ | ドゥーピータイム | フォーライフ | 1995 |
90DISKS OF 90'S/15 | バッファロー・ドーター | キャプテン・ヴァイパー・アスリーツ | グランド・ロイヤル | 1996 |
90DISKS OF 90'S/16 | 嶺川貴子 | Roomic Cube a tiny room exhibition | トラットリア/ポリスター | 1996 |
90DISKS OF 90'S/17 | さかな | マイ・ディア | まぼろしの世界 | 1996 |
90DISKS OF 90'S/18 | フリーボ | すきまから | オズ | 1996 |
90DISKS OF 90'S/19 | チボ・マット | Viva! La Woman | ワーナー | 1996 |
90DISKS OF 90'S/20 | V.A. | EVOLVE OR DIE ~ Tribute To The Blues presented by Free Form Freak-out! | Pヴァイン | 1996 |
90DISKS OF 90'S/21 | ゆらゆら帝国 | 3×3×3 | ライム | 1998 |
90DISKS OF 90'S/22 | スーパーカー | スリーアウトチェンジ | ドーブ | 1998 |
90DISKS OF 90'S/23 | キリンジ | ペーパードライヴァーズミュージック | ワーナー | 1998 |
90DISKS OF 90'S/24 | 七尾旅人 | 雨に撃たえば…!disc2 | ソニー | 1999 |
90DISKS OF 90'S/25 | メルト・バナナ | "MxBx 1998/13,000 Miles at Light Velocity" | Tzadik | 1999 |
90DISKS OF 90'S/26 | 河内家菊水丸 | Happy | ラッキョウ | 1991 |
90DISKS OF 90'S/27 | オーディオ・スポーツ | Era Of Glittering Gas | All Access | 1992 |
90DISKS OF 90'S/28 | バッド・スタッフ | 僕らは電気の原始人 | ゲイターウォブル | 1994 |
90DISKS OF 90'S/29 | ウルトラファッカーズ | Super Sladge | モネラフォン | 1994 |
90DISKS OF 90'S/30 | 山本精一 | 山本精一&水道メガネ殺人事件 | AUGEN | 1995 |
90DISKS OF 90'S/31 | ライズ・フロム・ザ・デッド | 825 | TAG RAG | 1995 |
90DISKS OF 90'S/32 | O.A.D. | DAYTONA | FMN | 1995 |
90DISKS OF 90'S/33 | 想い出波止場 | 金星 | メルダック | 1995 |
90DISKS OF 90'S/34 | ゲイシャ・ガールズ | THE GEISHA GIRLS SHOW 炎のおっさんアワー | フォー・ライフ | 1995 |
90DISKS OF 90'S/35 | マドモアゼル・ショートヘア! | mezzo | ギューン | 1996 |
90DISKS OF 90'S/36 | UA | 11 | スピードスター | 1996 |
90DISKS OF 90'S/37 | 身長2m | SPEED BY DIESNEEY | creativeman disc | 1996 |
90DISKS OF 90'S/38 | パラダイス・ガラージ | 豊田道倫 | rail | 1996 |
90DISKS OF 90'S/39 | Bambi Synapse | weather forecast | GREEN | 1996 |
90DISKS OF 90'S/40 | ソウル・フラワー・ユニオン | エレクトロ・アジール・バップ | キューン | 1996 |
90DISKS OF 90'S/41 | サタン・アルファ・ベール・アテム | デエリシャー・リボン・ピンク・ベール(ミュージック・オブ・デス) | HOREN | 1997 |
90DISKS OF 90'S/42 | マゾンナ | Spectrum Ripper | Cold Spring | 1998 |
90DISKS OF 90'S/43 | ヘリコイド0222MB | ヘリコイド0222MB | UMMO | 1999 |
90DISKS OF 90'S/44 | サイケアウツ | CLASSICS(1994-1999) | A10 | 1999 |
90DISKS OF 90'S/45 | 戸張大輔 | ギター | BRIDGE | 1999 |
90DISKS OF 90'S/46 | 裸のラリーズ | '77 LIVE | SIXE | 1991 |
90DISKS OF 90'S/47 | ガセネタ | Sooner or Later | PSF | 1991 |
90DISKS OF 90'S/48 | 豊年斎梅坊主 | 幻の庶民芸 | 大道楽 | 1992 |
90DISKS OF 90'S/49 | V.A. | カルトGSコレクション Vol.1 | テイチク | 1992 |
90DISKS OF 90'S/50 | JUKE/19 | JUKE/19 1978-1982 | TIME BOMB | 1996 |
90DISKS OF 90'S/51 | スチャダラパー | スチャダラ大作戦 | ファイル | 1990 |
90DISKS OF 90'S/52 | ZINGI | ZINGI | ファイル | 1991 |
90DISKS OF 90'S/53 | CRAZY-A | PLEASE | ファイル | 1992 |
90DISKS OF 90'S/54 | キミドリ | キミドリ | ファイル | 1993 |
90DISKS OF 90'S/55 | EAST END X YURI | denim-ed soul | ファイル | 1994 |
90DISKS OF 90'S/56 | V.A. | 悪名 | バッドニュース | 1995 |
90DISKS OF 90'S/57 | TOKYO NO.1 SOULSET | Jr | 江戸屋 | 1996 |
90DISKS OF 90'S/58 | ILLMARIACHI | THA MASTA BLUSTA | Pヴァイン | 1997 |
90DISKS OF 90'S/59 | YOU THE ROCK | THE GRAFFITIROCK '98 | カッテイング・エッジ | 1998 |
90DISKS OF 90'S/60 | ECD | MELTING POT | カッテイング・エッジ | 1999 |
90DISKS OF 90'S/61 | 高柳昌行 | カダフィのテーマ | JINYA | 1990 |
90DISKS OF 90'S/62 | optical 8 | ジェンダー | ゴッド・マウンテン | 1994 |
90DISKS OF 90'S/63 | 片山広明・林栄一 | デ・ガ・ショー | オーマガトキ | 1996 |
90DISKS OF 90'S/64 | 近藤等則XDJ KRUSH | 記憶 | ソニー | 1996 |
90DISKS OF 90'S/65 | 大友良英 | 山下毅雄を斬る〜大友良英ブレイズ・ミュージック・オブ山下毅雄 | Pヴァイン | 1999 |
90DISKS OF 90'S/66 | ユッスー・ンドゥール | セット | 東芝EMI | 1990 |
90DISKS OF 90'S/67 | プライマル・スクリーム | スクリーマデリカ | クリエイション | 1991 |
90DISKS OF 90'S/68 | ニルヴァーナ | ネヴァーマインド | ゲフィン | 1991 |
90DISKS OF 90'S/69 | ビョーク | ホモジェニック | ユニバーサル | 1997 |
90DISKS OF 90'S/70 | レディオヘッド | OKコンピューター | 東芝EMI | 1997 |
90DISKS OF 90'S/71 | UNITED FUTURE ORGANIZATION | Jazzin' | ZERO | 1992 |
90DISKS OF 90'S/72 | モンド・グロッソ | Mondo Grosso | フォー・ライフ | 1993 |
90DISKS OF 90'S/73 | ピチカート・ファイヴ | ボサ・ノヴァ2001 | コロムビア | 1993 |
90DISKS OF 90'S/74 | 日本音響研究所と極東録音 | 殺人の時効は15年-EP | Far East Recordings | 1997 |
90DISKS OF 90'S/75 | KEN ISHII | INNERELEMENTS | R&S | 1994 |
90DISKS OF 90'S/76 | routine | routine | ビクター | 1994 |
90DISKS OF 90'S/77 | EBI(SUSUMU YOKOTA) | ZEN | SPACE TEDDY | 1994 |
90DISKS OF 90'S/78 | 竹村延和 | Child's View | トイズ | 1994 |
90DISKS OF 90'S/79 | DJ KRUSH | STRICTLY TURNTABLIZED | MO WAX | 1994 |
90DISKS OF 90'S/80 | SOUL BOSSA TRIO | Dancing In The Street | ビクター | 1994 |
90DISKS OF 90'S/81 | 砂原良徳 | クロスオーヴァー | キューン | 1995 |
90DISKS OF 90'S/82 | Audio Active | Happy Happer | ビート | 1995 |
90DISKS OF 90'S/83 | CHARI CHARI | SPRING TO SUMMER | ファイル | 1999 |
90DISKS OF 90'S/84 | ボアダムズ | Vision Creation Newsun | ワーナー | 1999 |
90DISKS OF 90'S/85 | キャプテン・ファンク | Dancing In The Street | ミュージックマイン | 1999 |
90DISKS OF 90'S/86 | 安室奈美恵 | BODY FEEL EXIT | エイベックス | 1995 |
90DISKS OF 90'S/87 | 久保田利伸 with ナオミ・キャンベル | LA・LA・LA LOVE SONG | ソニー | 1996 |
90DISKS OF 90'S/88 | MY LITTLE LOVER | YES | トイズ | 1996 |
90DISKS OF 90'S/89 | パフィ | アジアの純真 | ソニー | 1996 |
90DISKS OF 90'S/90 | ザ・イエロー・モンキー | 楽園 | ファンハウス | 1996 |