日記/2009-2
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2009-2-28
世紀末キッズのためのSF100冊
古本屋で買った、1988年に出版された別冊宝島79「世紀末キッズのための SFワンダーランド」というムックに掲載されている「BOOK GUIDE 世紀末キッズのための100冊」をリストにしてみました。
選者は、SF砦の四悪人こと、大島豊、黒井玄一郎、長井務、ブライアン・N・Kの4名。
世はまさにサイバーパンク・ムーヴメントまっただ中の1988年。本書も巻頭いきなり、巽孝之の「サイバーパンクとの接近遭遇」という文章が掲載されていますし、黒丸尚の「
しかし、このブックガイドには、サイバーパンクと呼べる作品はほとんど入っていません。その意味で一応、時流におもねらない、オールタイム・ベスト的なセレクトがなされていると、言えなくもないわけですが……。
以下、リストの前言として、選者の中の誰かがその選出基準を述べた文章から引用します。
このリストは、これまでのSFの傑作のなかから読むべき作品を選定したというものではない。いくつもの性格をあわせもった、いわばヤミナベ的100冊である。 いくつかの本は、未読の読者によって著者と同じ感動をぜひ共有してほしいという観点から挙げられている。またいくつかの本は、どさくさ紛れに入りこんだ性質の悪い本である。あるいは、ある作家の代表作をあえて挙げず、戦略的もしくは「教育的指導」として推奨されている本もある。あるいは、かなり多くの本が、あえていまさら読むには及ばないという理由から削られていった。しかしそのうちのいくつかは、いつのまにか復活して何食わぬ顔でリストにおさまっている。 なんとなく削られてしまった本がある一方、強硬な反対にもかかわらず生き延びてしまった本もある。このあたりは運不運というほかはない。また、あえてB級な作品をも偏愛していたりするので、その点もご理解いただきたい。
各ページには該当する書籍のAmazonでの書影とYahoo!での検索結果に加え、古本検索のスーパー源氏での検索結果を記しておきました。これはリスト中に、サンリオ SF文庫やハヤカワSFシリーズなど、Amazonでは入手しずらいと思われる物が多数含まれているためです(でも、ふたを開けてみると、この20年の間に復刊されていたり、マーケットプレースにけっこう出品されてたりする)。
また、例によって、100冊と銘打ちながら117冊がセレクトされていますのでご注意ください。
当たり前ですが、本書刊行後、1988年以降の作品は、このリストには含まれていません。しかしながらこのリスト、確かに偏ってはいるものの、今でもけっこういけてるセレクトだと思うのですが、いかがでしょうか。
番号 | 作品 | 著者 | 出版社 |
---|---|---|---|
世紀末キッズのためのSF/1 | 虚構の大地 | ブライアン・オールディス | ハヤカワSFシリーズ |
世紀末キッズのためのSF/2 | 銀河は砂粒のごとく | ブライアン・オールディス | ハヤカワSFシリーズ |
世紀末キッズのためのSF/3 | 爆発星雲の伝説 | ブライアン・オールディス | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/4 | 去勢 | キングズリイ・エイミス | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/5 | 白壁の文字は夕陽に映える | 荒巻義雄 | ハヤカワSFシリーズ |
世紀末キッズのためのSF/6 | 残虐行為展覧会 | J・G・バラード | 工作舎 |
世紀末キッズのためのSF/7 | ヴァーミリオン・サンズ | J・G・バラード | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/8 | 溺れた巨人 | J・G・バラード | 創元SF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/9 | 夢幻会社 | J・G・バラード | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/10 | 夜の森 | D・バーンズ | 国書刊行会 |
世紀末キッズのためのSF/11 | 時間帝国の崩壊 | バリントン・ベイリイ | 久保書店 |
世紀末キッズのためのSF/12 | 禅銃(ゼンガン) | バリントン・ベイリー | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/13 | ブラッド・ミュージック | グレッグ・ベア | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/14 | 虎よ、虎よ! | アルフレッド・ベスター | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/15 | 分解された男 | アルフレッド・ベスター | 創元SF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/16 | そよそよ族伝説/1.うつぼ舟 | 別役実 | 三一書房 |
世紀末キッズのためのSF/17 | 樹海伝説 | マイクル・ビショップ | 集英社 |
世紀末キッズのためのSF/18 | 京城・昭和六十二年 | ボク・コイル | 成甲書房 |
世紀末キッズのためのSF/19 | 深き森は悪魔のにおい | キリル・ボンフィリオリ | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/20 | 10月はたそがれの国 | レイ・ブラッドベリ | 創元SF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/21 | 時計じかけのオレンジ | アントニイ・バージェス | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/22 | おかま | W・バロウズ | ペヨトル工房 |
世紀末キッズのためのSF/23 | 冬の夜ひとりの旅人が | イタロ・カルヴィーノ | 松籟社 |
世紀末キッズのためのSF/24 | 木曜の男 | G・K・チェスタトン | 創元推理文庫 |
世紀末キッズのためのSF/25 | 大洪水伝説 | リチャード・カウパー | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/26 | ノヴァ | サミュエル・R・ディレイニー | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/27 | プリズマティカ | サミュエル・R・ディレイニー | 早川書房 |
世紀末キッズのためのSF/28 | ヴァリス | フィリップ・K・ディック | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/29 | 火星のタイムスリップ | フィリップ・K・ディック | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/30 | 334 | トマス・ディッシュ | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/31 | ムントゥリャサ通りで | ミルチャ・エリアーデ | 法政大学出版局 |
世紀末キッズのためのSF/32 | 世界の中心で愛を叫んだけもの | ハーラン・エリスン | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/33 | フィン・マックールの冒険 | バーナード・エヴスリン | 教養文庫 |
世紀末キッズのためのSF/34 | 竜の卵 | ロバート・L・フォワード | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/35 | 東京ゲリラ戦線 | 藤本泉 | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/36 | 百年の孤独 | ガブリエル・ガルシア=マルケス | 新潮社 |
世紀末キッズのためのSF/37 | ふくろう模様の皿 | アラン・ガーナー | 評論社 |
世紀末キッズのためのSF/38 | クローム襲撃 | ウィリアム・ギブスン | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/39 | 後継者たち | ウィリアム・ゴールディング | 中央公論社 |
世紀末キッズのためのSF/40 | 岬一郎の抵抗 | 半村良 | 毎日新聞社 |
世紀末キッズのためのSF/41 | パステル都市 | M・ジョン・ハリスン | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/42 | 暗野 | 橋本治 | 北宋社 |
世紀末キッズのためのSF/43 | 陥没地帯 | 蓮實重彦 | 哲学書房 |
世紀末キッズのためのSF/44 | 10月1日では遅すぎる | フレッド・ホイル | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/45 | 一千一秒物語 | 稲垣足穂 | 新潮文庫 |
世紀末キッズのためのSF/46 | 超男性 | アルフレッド・ジャリ | 白水社 |
世紀末キッズのためのSF/47 | 熱い太陽、深海魚 | ミシェル・ジュリ | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/48 | 虚無の孔 | M・K・ジョーゼフ | 早川書房 |
世紀末キッズのためのSF/49 | 超現実数 | ドナルド・E・クヌース | 海鳴社 |
世紀末キッズのためのSF/50 | 小説伝・純愛伝 | 小林恭二 | 福武書店 |
世紀末キッズのためのSF/51 | ゼウスガーデン衰亡史 | 小林恭二 | 福武書店 |
世紀末キッズのためのSF/52 | 日本アパッチ族 | 小松左京 | 角川文庫 |
世紀末キッズのためのSF/53 | 光の塔 | 今日泊亜蘭 | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/54 | 九百人のお祖母さん | R・A・ラファティ | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/55 | パパの原発 | マーク・レイドロー | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/56 | 闇の左手 | アーシュラ・K・ル・グィン | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/57 | 砂漠の惑星 | スタニスワフ・レム | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/58 | 宇宙創世記ロボットの旅 | スタニスワフ・レム | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/59 | アルクトゥールスへの旅 | デイヴィッド・リンゼイ | 国書刊行会 |
世紀末キッズのためのSF/60 | アポロの彼方 | バリー・N・マルツバーグ | 早川書房 |
世紀末キッズのためのSF/61 | サンドキングズ | ジョージ・R・R・マーティン | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/62 | 黙示録3174年 | ウォルター・M・ミラー・ジュニア | 創元SF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/63 | 堕ちた天使 | マイケル・ムアコック | 集英社 |
世紀末キッズのためのSF/64 | 兇天使 | 野阿梓 | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/65 | 家畜人ヤプー | 沼正三 | 角川文庫 |
世紀末キッズのためのSF/66 | ドーキー古文書 | フラン・オブライエン | 集英社 |
世紀末キッズのためのSF/67 | 廃墟の愛 | ウォーカー・パーシー | 講談社 |
世紀末キッズのためのSF/68 | 競売ナンバー49の叫び | トマス・ピンチョン | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/69 | サンディエゴ・ライトフット・スー | トム・リーミイ | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/70 | パヴァーヌ | キース・ロバーツ | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/71 | 荒れた岸辺 | キム・スタンリー・ロビンスン | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/72 | フィーメール・マン | ジョアナ・ラス | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/73 | バーサーカー赤方偏移の仮面 | フレッド・セイバーヘーゲン | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/74 | 小遊星物語 | パウル・シェーアバルト | 桃源社 |
世紀末キッズのためのSF/75 | 幻想ホテル | スティーヴン・シュネック | 早川書房 |
世紀末キッズのためのSF/76 | フランケンシュタイン | メアリー・シェリー | 創元SF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/77 | 禁じられた惑星 | ロバート・シルヴァーバーグ | 創元SF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/78 | スラデック言語遊戯短編集 | ジョン・スラデック | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/79 | ノーストリリア | コードウェイナー・スミス | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/80 | 鼠と竜のゲーム | コードウェイナー・スミス | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/81 | 鉄の夢 | ノーマン・スピンラッド | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/82 | シリウス | オラフ・ステープルドン | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/83 | ストーカー | A・ストルガツキー | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/84 | 愛はさだめ、さだめは死 | ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/85 | 貝殻の上のヴィーナス | キルゴア・トラウト | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/86 | 虚航船団 | 筒井康隆 | 新潮社 |
世紀末キッズのためのSF/87 | 非Aの世界 | A・E・ヴァン・ヴォークト | 創元SF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/88 | 残像 | ジョン・ヴァーリイ | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/89 | うたかたの日々 | ボリス・ヴィアン | 早川書房 |
世紀末キッズのためのSF/90 | スローターハウス5 | カート・ヴォネガット・ジュニア | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/91 | 猫のゆりかご | カート・ヴォネガット・ジュニア | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/92 | マーシャン・インカ | イアン・ワトスン | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/93 | 宇宙ヴァンパイアー | コリン・ウィルソン | 新潮文庫 |
世紀末キッズのためのSF/94 | 新しい太陽の書 | ジーン・ウルフ | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/95 | 宝石泥棒 | 山田正紀 | 角川文庫 |
世紀末キッズのためのSF/96 | 花と機械とゲシタルト | 山野浩一 | NW-SF社 |
世紀末キッズのためのSF/97 | ジョナサンと宇宙クジラ | ロバート・F・ヤング | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/98 | 伝道の書に捧げる薔薇 | ロジャー・ゼラズニイ | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/99 | スペースマン 宇宙SFコレクション | 浅倉久志・伊藤典夫 | 新潮文庫 |
世紀末キッズのためのSF/100 | スターシップ 宇宙SFコレクション | 浅倉久志・伊藤典夫 | 新潮文庫 |
世紀末キッズのためのSF/101 | タイムトラベラー 時間SFコレクション | 浅倉久志・伊藤典夫 | 新潮文庫 |
世紀末キッズのためのSF/102 | SFカーニバル | フレドリック・ブラウン | 創元SF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/103 | 危険なヴィジョン | ハーラン・エリスン | ハヤカワ文庫 |
世紀末キッズのためのSF/104 | 新しいSF | ラングドン・ジョーンズ | サンリオSF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/105 | ザ・ベスト・フロム・オービット | デーモン・ナイト | NW-SF社 |
世紀末キッズのためのSF/106 | 究極のSF | バリー・N・マルツバーグ | 創元SF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/107 | 年刊SF傑作選 | ジュディス・メリル | 創元SF文庫 |
世紀末キッズのためのSF/108 | ニュー・ワールズ傑作選 | マイクル・ムアコック | 早川書房 |
世紀末キッズのためのSF/109 | 十億年の宴 | ブライアン・オールディス | 東京創元社 |
世紀末キッズのためのSF/110 | 理科系の文学誌 | 荒俣宏 | 工作舎 |
世紀末キッズのためのSF/111 | 未踏の時代 | 福島正実 | 早川書房 |
世紀末キッズのためのSF/112 | F.O.E MANUAL | 細野晴臣 | 扶桑社 |
世紀末キッズのためのSF/113 | 生体廃墟論 | 伊藤俊治 | リブロポート |
世紀末キッズのためのSF/114 | フラクタル幾何学 | ベノワ・B・マンデルブロ | 日経サイエンス社 |
世紀末キッズのためのSF/115 | SFに何ができるか | ジュディス・メリル | 晶文社 |
世紀末キッズのためのSF/116 | 月世界への旅 | M・H・ニコルソン | 国書刊行会 |
世紀末キッズのためのSF/117 | 反解釈 | スーザン・ソンタグ | 竹内書店新社 |
2009-2-22
「トンデモ科学の世界」と「異端の脳がホンモノ!」
竹内薫と茂木健一郎の共著「トンデモ科学の世界」を読了。前半は竹内が「異端の科学の世界」を、後半は茂木が「異端の心脳科学の世界」を、それぞれ紹介している。
少なくとも後半の茂木担当パートは面白かった。本書は1995年に執筆された、茂木にとっての「処女作」にあたる。「脳と仮想」など、その後に書かれた茂木の他の著作を読んでも、彼が何を言いたいのか、いまいちピンとこなかったが、本書を読んで、彼の問題意識がわかったような気がした。
前半の竹内が執筆している部分については、なんだか散漫な印象しかなくてあまり感心しなかったが、別の意味で面白かった。
本書のプロローグで、竹内は「と学会」批判を繰り広げているのだが、それがなんだか的外れで、「何言ってるの?」という感じなのである。正直、その際立ったトンチンカンぶりから、竹内担当パートでは、この部分が一番面白かった。
アマゾンの書評によると、この「トンデモ科学の世界」は、「異端の脳がホンモノ!」というタイトルで2006年に文庫化されているのだが、
異端の脳がホンモノ! | |
大和書房 | |
竹内薫/茂木健一郎 | |
楽天 Amazon |
この最も面白い部分がカットされているとのこと。
なんともったいない!分量も大したことはないので、以下に引用しておく。
プロローグ 「と学会」の発想は、「受験の科学の世界」 (中略。「異端の…」の18ページ3行目から19ページ3行目までと同じ) 『トンデモ本の世界』とまっ向から対立する「哲学」を呈示したい この本の題名の『トンデモ科学の世界』は、いうまでもなく、『トンデモ本の世界』のパロディーである。でも、なぜ、パロディーなのか。 『トンデモ本の世界』という本は、「と学会」(?)が、世に出ている「とんでもない本」を取り上げて、非難、嘲笑を浴びせる内容になっており、早い話が、優越感に浸った「頭のいい連中」(?)が「頭のわるい連中」をコケにして喜ぶという、おきまりの構図で成り立っている。 もちろん、「と学会」という実体のある学会が存在するわけではなく、山本弘というSF作家を中心に、現在の学界の権威ある通説を無批判に受け入れて、異端説を、これは間違い、と断じて葬り去るというものなのだ。私の見る限り、そのシニカルでネガティブな姿勢には、夢もロマンもまったく感じられない。 しかし、世界のすべてのことが、これは正しい、これは間違い、という具合に、単純な○×式で片づくなんて本当だろうか。 「不思議」な現象など、世界のどこにも存在せず、森羅万象すべてがきっちりと科学的に説明できるとでもいうのだろうか。 『トンデモ本の世界』では、科学的な説明、という言葉自体が「水戸黄門」の葵のご紋の印籠のように絶対的な権威になっている。これは、ナンカ変ではなかろうか。 「と学会」には申し訳ないが、単純な○×式思考でケリがつくのは、一部のマークシート式受験問題だけである。現実の世界は、○×式ではうまくいかないし、もちろん、科学の世界も○×式ではうまくいかない。科学の世界が、つねに白黒のつく○×世界だと思っている人は、「受験の科学の世界」あるいは「学校の科学の世界」だけが科学のすべてだと勘違いしているに違いない。 (中略。「異端の…」の20ページ2行目から10行目までと同じ) 『トンデモ科学の世界』は、『トンデモ本の世界』とは正反対の哲学に貫かれている。 われわれは、 「みんなの信じている権威が必ずしも正しくない可能性を指摘したい」 「科学が単純な○×式では本質的にうまくいかないことを力説したい」 「異端説を嘲笑するのではなく、異端説の持つ魅力にせまってみたい」 以上のことを、 「『なんとか学会』という隠れ蓑は使わずに、実名の人物が、堂々と主張する」
ここまで書いておきながら、肝心の内容は「『トンデモ本の世界』のパロディー」というよりも「劣化コピー」という感じなんだもんなあ……。
さらに竹内は、「異端の脳がホンモノ!」の「文庫版まえがき」で以下のように記している。
10年前にこの本を出したとき、さまざまな人たちから叩かれた憶えがある。有名な大学教授からも酷評されたし、「と学会」という集団からも総攻撃を喰らった。 (中略) 10年たってみて、なにが変わったかといえば、本の中で私が書いたことは、実は文化的に「オモシロイ」のであり、ある意味「知的」なのであり、酷評したり、叩いたりしていた人々には、ユーモアの感覚とバランスのとれた知性が欠けていただけ……こんなことを書くと、ふたたび真面目な御仁たちから集中砲火を浴びるかもしれないが、私の正直な実感である。
それなら「と学会」を批判した部分も、堂々と削除しなければよかったのに。
参考にしたページ
2009-2-21
ゼファー魂・続
昨年(2008年)の6月14日(土)、東京競馬場のパドックで、その日ヤマニンゼファー産駒が出走していないにもかかわらず、「ゼファー魂」の横断幕が掲げられているのを見て、その理由を考えてみた(くわしくはこちら)。
考えられる理由は以下の二つ。
- 他場でヤマニンゼファー産駒が出走していたから
- 当日、中京10Rにヤマニンゼファー産駒のウインサウザーが出走していた
- 東京競馬場で母父ヤマニンゼファーの産駒が出走していたから
- 当日、東京11Rに母父ヤマニンゼファーのドンクールが出走していた
上記の両方が当てはまるため、いずれの理由によるものなのか、当時は判定することができなかった。
TARGETで出走馬をチェックしているときに、今日(2009/02/21)は、
- 開催中いずれの競馬場にも、ヤマニンゼファー産駒の出走がなく
- 東京競馬場で母父ヤマニンゼファーの産駒が出走している
- 東京7Rに母父ヤマニンゼファーのカツゾーが出走している
ということに気づいた。
条件が絞り込める!ということで、東京競馬場へ確認に行ってきた。
2009/02/21(土)撮影
横断幕はあった!
というわけで、パドックに「ゼファー魂」の横断幕がかかるのは、少なくとも
- その競馬場にヤマニンゼファー産駒が出走している
- その競馬場に母父ヤマニンゼファーの産駒が出走している
これら、いずれかの条件を満たす場合ではないかと考えられる。
ただし、正確を期すならば、
- その競馬場にヤマニンゼファー産駒も、母父ヤマニンゼファーの産駒も出走しておらず
- 他場にヤマニンゼファー産駒が出走している
または、
- その競馬場にヤマニンゼファー産駒も、母父ヤマニンゼファーの産駒も出走しておらず
- 他場に母父ヤマニンゼファーの産駒が出走している
これらの場合には、その競馬場には「ゼファー魂」の横断幕がかかることはない、ということも確認すべきである。特に、「他場でのみヤマニンゼファー産駒出走時には横断幕がかからない」ということは確認しないと。
今までにも、競馬場へ出向いたときに「ゼファー魂」の横断幕がパドックにかかっていないことはよくあったが、単純に、数少ないヤマニンゼファー産駒が出走してないだけだと思い、なぜかかっていないのか、細かい条件を気にしたことがなかった。よって、上述の条件のときに果たして横断幕がなかったのかどうか、答えることはできない。
よく知られているように、「ゼファー魂」の横断幕は必ず最先着で掲示許可を得るため、府中でも中山でも、パドックの一番いい場所に掲示される。掲示場所がわかっているのだから、テレビ中継の画面で横断幕がかかっているかどうかを確認するのも簡単である。
だが、これは風情がない。
今後も気長に自分の目でパドックを確認し、しかしヤマニンゼファー産駒がいなくなる前に、なんとか結論を出したい。
追記
2009-2-10
jQubox プラグイン
JavaScriptライブラリjQueryのプラグインであるuBoxを用いたFreeStyleWiki用のプラグイン。
ダウンロードはこちらから。
ページに貼り付けられている画像のサムネイル画像を表示し、そのサムネイル画像をクリックしたときに元画像を表示するプラグインです。画像は、BugTrack-plugin/261の直リンク画像表示プラグインを用いて、ページに貼り付けられていることが必要です。
{{jqubox G1.jpg,jQcycle プラグイン テスト}}
「G1.jpg」は、表示する画像ファイル名です。省略した場合には、該当するページに貼り付けられているすべてのファイルを並べて表示します。
「jQcycle プラグイン テスト」は、画像が貼り付けられているページ名を示し、省略された場合はプラグインが記載されているページになります。
すでに、ほぼ同様の機能をもつjQzoomi プラグインが作成されていますが、それとの違いは以下の通り。
- 拡大後の画像がウィンドウ中央に表示される
- 必ずクリックが必要
- サムネイル画像のサイズ指定が不要
- ファイル名の表示
参考および関連情報
- uBox
- jQubox プラグインで利用しています。ありがとうございます。
- 2009/02/10現在、上記のサイトで配布されている uBox 1.0 にはまだいくつかバグが残っていて、当方による確認では、うまく動作しませんでした。
- そこで、いつの間にかアクセスできなくなった旧配布先 http://zori.udesign.sk/ubox/ で報告されていたバグを修正してみると、IE7、Firefox3、Chromeでの動作が確認できました。Thank you, khoker.
- 上記修正を施したファイル uBox.js をダウンロードのページに添付しておきましたので、そちらを利用してください。
- FreeStyleWikiの本家のサイトのBugTrack/261
- 直リンク画像表示プラグイン。jQubox プラグインは、このプラグインを用いてページに貼り付けられた画像を表示します。
2009-2-6
YouTube 120 A NEW POINT OF VIEW
スタジオ・ボイス398号(2009年2月号)の特集は「視覚コミュニケーションの新次元!!」。少し前にどこかで見たことがあるような、この特集記事の中の20人の選者による動画セレクト集「YouTube 120 A NEW POINT OF VIEW」をリンク集にしてみました。各選者の名前のリンク先のページには、その人が選んだYouTubeの動画が表示されています。
記事中に動画のIDが記されているわけではないので、YouTubeSearch プラグインを用いて、記されている動画のタイトルから検索しました。ですので、一応確認はしましたが、もしかしたら、選者お勧めの動画とは異なるものが表示されているかもしれません。
また、すでに削除されていて、見つけられない動画がいくつかありました。その場合には、似たような動画を表示してお茶を濁してあります(例えば、土屋豊が挙げている「Mira como los matan: La piel, el cuero y la lana.」という動画は見つけられなかったので、同じ「hx47」がアップしている別の動画に差し替えておきました)。許してください。
BRUTUSのもの同様、時がたつにつれ、リンク先の動画はどんどん削除され、リンク集としての意味がどんどんなくなっていくのかもしれませんが、まあ、それはそれとして……。
- MOODMAN
- ソウジロウ
- パルコキノシタ
- マドモワゼル・ユリア
- 宇川直弘
- 瓜田純士
- 奥主博之
- 海猫沢めろん
- 権田山一雄
- 高橋ヨシキ
- 佐々木孫悟空
- 瀬戸文美
- 西島大介
- 泉信行
- 大月壮
- 滝本竜彦
- 谷崎テトラ
- 土屋豊
- 萩谷正人
- 椹木野衣
2009-2-2
綱島街道散歩
2008年12月、tvkのsakusakuの「みんなでうたおうZ」のコーナーで、「綱島街道ブルース」という曲が流れました。
Google Earth で表示
この曲を聞いて、綱島街道を端から端まで踏破することを思いつきました。
曲の通り、丸子橋のたもと、川崎の新丸子からスタートして、横浜の浦島丘まで、全長13kmの道のりを4時間ほどかけて歩き通しました。
疲れた……。
2009/02/02(月)撮影