日記/2009-4

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2009-4-22

交響詩篇エウレカセブン サブタイトル楽曲集

 

 「コンティニュー」はほぼ毎号購入しているが、それは「saku saku」の記事を読まんがため。ゲームやアニメにはあまり興味がないので、他の記事は真剣に読むこともなく、気が向いたら目を通すといった程度だった。
 コンティニューVol.45(2009年5月号)の第一特集は、映画「交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい」の公開に合わせて、京田知己監督に対して都合4回、15時間以上にわたって行われたインタビューをまとめた「京田知己 70,000字独占ロングインタビュー」。
 何の気なしに読んだこの記事が、実に面白かった。
 映画のサブタイトル「ポケットが虹でいっぱい」は、90年代に再生したYMOがリリースしたシングルの曲名からとったもの。これでわかるように、京田はなかなかのYMOファン。
 以下、「京田知己 Interview Part.1 2008.10」の「『エウレカ』だけど『エウレカ』じゃない」の節からの引用。京田知己、「コンティニュー」林編集長のインタビューイ、インタビュアー以外に、藤原啓治羽海野チカ、志田英邦が同席。

― そう言えば、サブタイトルって「ポケットが虹でいっぱい」で決まったんですか?
京田 現在、各方面と調整中ですね。
― 決まるといいですけどねえ。ぴったりだと思うんだけどな。なんなら特集でもYMOの写真を使いましょうか?(笑)。案外、許可取れるかもしれませんよ。
京田 それだったら、『エウレカ』のロゴの上にバッテンつけるとかね。
― ああ、それはカッコいい! 再生YMOですね。
京田 そうなんだ。俺、東京ドーム公演行きましたよ。
― 俺も行った(笑)。
京田 俺は観終わった後に「(前座のジ・)オーブ最高!」で、YMOに関してはノーコメント(笑)。
― おお! こんなところに再生YMOのライブに行った人間が3人も(笑)。ちなみに京田さん、YMOではどのアルバムが好きなんですか?
京田 38年生きてきて一番聴いたアルバムは『テクノデリック』なんですよ。若い頃『PROLOGUE』と『EPILOGUE』を使ってビデオアートとか作ったりしてましたから。坂本龍一が一番ヤバかったときですよね。それと意外に『浮気なぼくら』とかも好きですよ。
― あ、僕も好き!
京田 『WILD AMBITIONS』の最初の音の作り方が素晴らしい。それで思い出すのもなんなんですけど、今回の劇場版って、自分の中では「再生YMO」っていう意識なんですよ。

 続けて、「京田知己 Interview Part.2 2008.12」の「再生YMOと90年代のリアル」の節からの引用。林編集長がしゃべるしゃべる。

京田 来年、林さんはどんなことをやりたいですか?
― そうだなあ……ボクと京田さんって同世代だから問題意識が近いとは思うんですけど、これは劇場版『エウレカ』とは関係なく、再生YMO感っていうのは、いまの僕たち世代にとってリアルな気がするんですよね。再生YMOって象徴的な気がするんです。あれ、本人たちがやりたかったかどうか、よくわからないじゃないですか?
京田 はいはいはい。むしろやりたくないオーラが全力で出てる(笑)。
― そうなんですよね(笑)。「やりたくないけど、やらなきゃいけない」みたいな感じがすごくするんですよ。それって90年代のリアルタイムではわからなかったんですけど、いま、この歳になってみると、なんとなくわかる。「取りあえずやっとかないと仕方ない」っていうか、「いまやっとかないと、死ぬまで言われるしなあ」みたいな。
京田 だから僕が劇場版の後、もう1回『エウレカ』を作ったら今度はHASYMOみたいに枯れた感じになるんですよ(笑)。
― あははは(笑)。だから再生YMOって、いまHASYMOとして仲良く復活してる感じよりも、よっぽど腹を括ってる感じがして、すごく沁みるんですよね、最近。非常に感覚的な同世代トークをしてますけど(笑)、YMOの歴史における『BGM』以降の”悩み”をわかってる感じって、大人として生きていく上で、すごく大切な気がするんですよ。前回言ったかもしれないですけど、僕、『浮気なぼくら』が本当に好きで。
京田 ああ、いいっスよね、あれ。
― なんで好きかって言うと、すべてをわかった大人が逆ギレ感を演出してる感じがするんですよね。で、これは変に誤解されると嫌なんですけど、僕にとっての『コンティニュー』って、たぶん『浮気なぼくら』を延々とやってる感じなんですよ。あんな人じゃないんです、僕。『浮気なぼくら』みたいな人じゃないんだけど、なぜか延々と『浮気なぼくら』をやり続けてる(笑)。だって、もともと『20年目のザンボット3』とか作ってた人間ですから、いまみたいなサブカル雑誌を作ること自体、僕にとっては『浮気なぼくら』みたいなもんですよ。それで最近は『浮気なぼくら』をやり続けて、だんだんワケわかんなくなっちゃてるんです(笑)。
京田 いや、同世代なんでわかりますよ、すごく(笑)。
― ありがとうございます(笑)。

 最後は、「京田知己 Interview Part.4 2009.2」の「『93年のようにしてほしい』」の節から。どんどん長く引用しているが、なにしろインタビュー全体は70000字もあるので、これでもほんの一部。だから許して!

― (前略)前にウチの雑誌でテレビシリーズを大特集したとき、特集の冒頭で書いてるんですけど、僕が一番最初『エウレカ』に興味を持ったのって、やっぱり第1話のサブタイトル『ブルー・マンデー』なんですよ。言葉は悪いですけど「うわ! なんて恥ずかしい!」「でも、気持ちはわかるぞ!」みたいな(笑)。
京田 あれは(佐藤)大さんがつけたんですけどね。レントンの日常が日曜日の夕方に『サザエさん』が終わった後のまどろみみたいな状況が延々と続いているような、それこそ『ブルー・マンデー』の詞世界のようなイメージからのスタートだと思って、「それは、やっぱり『ブルー・マンデー』なんじゃないの?」ってとこからつけられてんですけどね。
― 何回目か忘れましたけど、インタビュー前の余談で49話の『シャウト・トゥ・ザ・トップ!』とは何か?という話をしましたよね。
京田 そんな話しましたっけ?(笑)
― しましたよ(笑)。『シャウト・トゥ・ザ・トップ』はスタイル・カウンシルの曲ですけど、それは「決してトップに立てないデューイの悲しみである」というようなお話。
京田 そうでしたっけ(笑)。スタイル・カウンシルって、その本質はやっぱり「労働者階級の音楽」だと思うんですよね。テレビシリーズの頃、「メジャーなUKロックの邦盤を、邦訳と合わせて読み込んでみよう」みたいなブームがありまして。スタイル・カウンシルって鳴らしてる音楽はオシャレなんですけど、言ってることは超下流目線じゃないですか?
― ポール・ウェラーは一貫して、そんな感じがありますけどね。
京田 そこを面白く感じて。何年かに1回はそういうブームが来るんですけど、ちょうどテレビシリーズを作ってるときにそれが来たから、モロにそうなってるんでしょうね。
― じゃあ、最初から『シャウト・トゥ・ザ・トップ』のようなメッセージの込め方を目指してたわけじゃないんですか?
京田 そうできればいいなってくらいは思っていましたけど、いまサブタイトルを考えたらとなると、また違ってくるとは思いますね。ただコーラリアンの話をするときには『アクペリエンス』シリーズにしようとは決めてましたね。まあ、前半に関して言うと、俺の要素っていうのはあんまりなかったですよ。第三者に決めてもらったほうが多かったり。
― たとえば、10話の『ハイアー・ザン・ザ・サン』は? 言っちゃうとプライマル・スクリームですけど。
京田 これは誰だったかなあ。宇宙に行く話だったから「それなら、これで行こう」って話になったはずなんだけど。なんかプライマルの『ハイアー・ザン・ザ・サン』ってタイトルは気取ってるんだけど、曲調がブルーなところが重要で(笑)。
― 確かに、そうですね(笑)。
京田 『アクペリエンス・1』の前に『イントゥー・ザ・ネイチャー』が来てるのは俺っぽいかな(笑)。
― 一応解説しておくと『アクペリエンス・1』も『イントゥー・ザ・ネイチャー』もハードフロアの『TB Resuscitation』というアルバムに収録されてる曲で、収録順も『イントゥー・ザ・ネイチャー』の後に『アクペリエンス・1』が来てる、という(笑)。
京田 たぶん、この辺りからサブタイトルを決め始めたんだと思いますよ。「コーラリアンはその実、自然現象である」と。そしてそこにダイブしていくから、そういうタイトルをつけたんですよね。当時『イントゥー・ザ・ネイチャー』なんて誰が知ってるんだ? とか言われましたけど(笑)。そんな感じでサブタイトルを考え始めたら、なかなか決められなくて。そのせいでアフレコのときに次週予告の3本連続収録とかありましたね。
― 音楽系のサブタイトルをつけるときって、たとえば僕が雑誌のコピーを決めるときなんか会社のPCに入ってるiTunesを参考にするんですけど(笑)、京田さんはどうやって引用されてました?
京田 その頃はiTunesでやるという発想がなかったから、それこそ目の前にあるCDラックから適当に掴んで引っ張り出して、そこから決めたりとかね。だから微妙に90年代テイストだという(笑)。
― テレビシリーズのサブタイトルってUKロック以外にも、テクノとかハウスとか広範囲に及んでますけど、それは京田さんの目の前にあったCDだったんですね(笑)。

 音楽関連に限ってもまだまだ引用したい話題が満載なのだが、きりがないのでこの辺で。興味がある方は「コンティニューVol.45」に直にあたってほしい。
 と、上の引用部分まで読んで、映画だけでなく、テレビシリーズのサブタイトルの多くも、曲名からの引用であることを知る。
 で、またもやリストにまとめてみた。リストの各ページには、該当する曲のDiscogs、YouTube、TechniqueもしくはAmazonでの検索結果が表示されている。Discogsでの検索結果はシングルを優先し、シングルカットされていないと思われる曲についてはアルバムを表示するようにした。YouTubeでそのものずばりの曲が引っかからなかった場合は、似たような曲を表示してお茶を濁している。許して。さらに、いくつかのページには、特記事項として関連する動画が表示されている場合もある。
 以下にサンプルとして、映画のサブタイトル「ポケットが虹でいっぱい」のページの内容を示す。
 

ポケットが虹でいっぱい

  • Title: Pocketful Of Rainbows
  • Album: -
  • Artist: Yellow Magic Orchestra
  • Year: 1993

<- 前のページ ^

Discogs

Artist:Yellow Magic Orchestra
Url:http://www.ymo.org/
http://www.commmons.com/
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/ymo/index_pc.html
http://www.myspace.com/hasymo
Title:Pocketful Of Rainbows
Label:Toshiba EMI Ltd
Released:1993
Track:01 [4:22] Pocketful Of Rainbows
02 [4:23] Hi-Tech Hippies
03 [4:36] Pocketful Of Rainbows (English Version)

YouTube

YMO - Pocketful of Rainbows (Technodon)

Amazon

No Item.

Notices

Pocketful Of Rainbows - Elvis Presley


リスト

 サブタイトルに該当する曲は、基本的にWikipediaのエントリに準拠した。2009/04/22の時点で、第2、3、5、7、8、9、17話のサブタイトルについては該当する曲の記載がなかったため、該当するページの記載も空っぽ。第25、28話のサブタイトルは本のタイトルからとられているため、その本のAmazonへのリンクが記してある。
 ただし、個人的な判断でWikipediaの記載を少しアレンジしたものもある。例えば「岡崎京子のマンガも、大元はビートルズでしょう」とか「フェリックスが先に書いてあるけど、やっぱりヒューマン・リーグでしょう」とか「デイト・オブ・バースといえばこれでしょう」とか。どれも曲はよく知っているものばかりだが、なにしろ「エウレカセブン」の方をまったく観たことがないので、番組内容にそぐわないアレンジかもしれないが、そこはご寛恕願いたい。
 なお、幻の51話のサブタイトル「ニュー・オーダー」については、コンティニューVol.45のコラム「"恋物語"としての『エウレカセブン』」で言及されていた「Bizarre Love Triangle」を採用した。
 また、映画は52番目に割り当てた。

Page Subtitle Title Albun Artist Year
Eureka seveN/1Blue Monday Blue Monday - New Order 1984
Eureka seveN/2Blue Sky Fish - - - -
Eureka seveN/3Motion Blue - - - -
Eureka seveN/4Watermelon Watermelon Man Head Hunters Herbie Hancock 1973
Eureka seveN/5Vivid Bit - - - -
Eureka seveN/6Childhood Childhood The Other Day Jeff Mills 1997
Eureka seveN/7Absolute Defeat - - - -
Eureka seveN/8Glorious Brilliance - - - -
Eureka seveN/9Paper Moon Shine - - - -
Eureka seveN/10Higher Than The Sun Higher Than The Sun - Primal Scream 1991
Eureka seveN/11Into The Naure Into The Naure TB Resuscitation Hardfloor 1993
Eureka seveN/12Acperience 1 Acperience 1 TB Resuscitation Hardfloor 1993
Eureka seveN/13The Beginning The Beginning - Rhythim Is Rhythim 1990
Eureka seveN/14Memory Band Memory Band - Rotary Connection 1969
Eureka seveN/15Human Behaviour Human Behaviour - Bjork 1994
Eureka seveN/16Opposite View Opposite View Waking Hours Del Amitri 1989
Eureka seveN/17Skyrock Gate - - - -
Eureka seveN/18Ill Communication - Ill Communication Beastie Boys 1994
Eureka seveN/19Acperience 2 Acperience 2 Hardtrance Acperience EP Hardfloor 1992
Eureka seveN/20Substance Abuse Substance Abuse - F.U.S.E. 1991
Eureka seveN/21Runaway Runaway - Nuyorican Soul 1996
Eureka seveN/22Krakpot Krakpot - Plastikman 1993
Eureka seveN/23Differencia Differencia B-2 Unit 坂本龍一 1984
Eureka seveN/24Paradise Lost Paradise Lost 音楽図鑑 坂本龍一 1984
Eureka seveN/25World's End Garden ワールズ・エンド・ガーデン - いとうせいこう 1991
Eureka seveN/26Morning Glory Morninng Glory (What's The Story) Morning Glory? Oasis 1995
Eureka seveN/27Helter Skelter Helter Skelter The Beatles The Beatles 1968
Eureka seveN/28Memento Mori オーイ・メメントモリ - しりあがり 寿 2006
Eureka seveN/29Keep On Movin' Keep On Movin' - Soul II Soul 1989
Eureka seveN/30Change Of Life Changes Of Life Waveform Transmission Vol. 1 Jeff Mills 1992
Eureka seveN/31Animal Attack Animal Attack Four Tracks EP Fumiya Tanaka 1995
Eureka seveN/32Start It Up Start It Up - Joey Beltram 1997
Eureka seveN/33Paciffic State Paciffic State Pacific State / Cubik 808 State 2002
Eureka seveN/34Inner Flight Inner Flight Screamadelica Primal Scream 1991
Eureka seveN/35Astral Apache Astral Apache Galaxy 2 Galaxy Galaxy 2 Galaxy 1993
Eureka seveN/36Fantasia Fantasia - Cosmic Baby 1994
Eureka seveN/37Raise Your Hand Raise Your Hand Together Holidays In The Sun EP Cornelius 1993
Eureka seveN/38Date Of Birth - Date Of Birth Date Of Birth 1992
Eureka seveN/39Join The Future Join The Future - Tuff Little Unit 1991
Eureka seveN/40Cosmic Trigger Cosmikk Trigger - Cosmic Baby 1992
Eureka seveN/41Acperience 3 Acperience 3 Hardtrance Acperience EP Hardfloor 1992
Eureka seveN/42Star Dancer Star Dancer - The Martian 1993
Eureka seveN/43The Sunshine Underground The Sunshine Underground Surrender The Chemical Brothers 1999
Eureka seveN/44It's All In The Mind It's All In The Mind Ravesignal III CJ Bolland 1991
Eureka seveN/45Don't You Want Me? Don't You Want Me - The Human League 1981
Eureka seveN/46Planet Rock Planet Rock - Afrika Bambaataa 1982
Eureka seveN/47Acperience 4 Acperience 4 Hardtrance Acperience EP Hardfloor 1992
Eureka seveN/48Ballet Mecanique Ballet Mecanique 未来派野郎 坂本龍一 1986
Eureka seveN/49Shout To The Top Shout To The Top - The Style Council 1984
Eureka seveN/50星に願いを When You Wish Upon A Star Walt Disney's Pinocchio Cliff Edwards 1992
Eureka seveN/51New Order Bizarre Love Triangle - New Order 1986
Eureka seveN/52ポケットが虹でいっぱい Pocketful Of Rainbows - Yellow Magic Orchestra 1993

参考

  • ニコニコ動画 Eureka seveN subtitle soundtrack 1 - 4

http://www.nicovideo.jp/watch/sm3402245http://www.nicovideo.jp/watch/sm3402340http://www.nicovideo.jp/watch/sm3446253http://www.nicovideo.jp/watch/sm3698966


2009-4-18

「知的な人の馬券術」のまちがい

 

 明治書院から「おとなの教科書」として刊行されたシリーズ「学びやぶっく」の第一弾のうちの一冊「知的な人の馬券術」を読了。
 取り立てて目新しいことは書いてなかったが、「知的な人」向けの本とは思えぬ重大なまちがいはあった。
 第五章「このように買う」では、第四章までに取り上げてきた馬券術を実践でどのように用いるのか、2009/01/04(日)中山金杯開催日のレースを例に挙げ、著者が実際にどのように馬券を買ったのかということを通して紹介している。
 その中でも、中山第8レースは「過剰投票があり買う」レースとして取り上げられている。勝ち馬を知っている関係者が多額の投票をすることで生じるオッズの異常な変動を察知して、それに便乗することで馬券を的中させるという馬券術で、それ自体は、的中するかどうかはさておき、極めてまっとうな戦術であると思われる。
 ここで著者は、JRAのサイトの出馬表のページに表示されている単勝オッズを一定時間ごとにチェックし、その変化から過剰投票のありなしを判定しようとしている。

100倍を超えるオッズはもともと投票額が少ないのでわずかな投票でも大きく動くこともありますが、50倍以下の馬には大きな変動がないのが普通です。ところが9番インプルーヴの場合、八時前に47.1倍だったオッズが、一時間後には21.7倍、その一時間後にはなんと13.6倍と当初の三分の一以下まで下がりました。

 以下に、TARGETのデータから作成した、同レースの単勝オッズの推移のグラフを示す。赤い線で示されているのが9番インプルーヴのオッズである。

odds.jpg

 確かにオッズの変動だけを見ると、インプルーヴの単勝オッズは朝の8時前から10時頃にかけて急激に下がっている。
 しかしながら、これは「過剰投票」と呼べるほどのものなのだろうか。
 次に、単勝馬券の投票数の推移のグラフを示す。同じように赤い線で示されているのが9番インプルーヴのデータである。

money.jpg

 このグラフを見てもわかるように、インプルーヴの単勝馬券が8時から10時の間に大量に買われているという事実はない。つまり、インプルーヴの単勝オッズの8時から10時にかけての変動は、過剰投票によるものではなく、単に買われている馬券の総額が少ないために、少し買われただけでオッズが大きく動いたということに過ぎない。これはオッズが100倍だろうが50倍だろうが関係なく起きることである。
 また、どの馬の単勝馬券の投票数の推移を見ても、発走時刻13時40分の30分ほど前、だいたい13時をまわった頃から急激に増加していることがわかる。つまり、このレースの単勝馬券のほとんどは13時以降に売れているため、朝のオッズの変動を見ても仕方がないのである。

 グラフでは細かい数字が確認しにくいため、以下にほぼ1時間ごとの単勝馬券の売り上げ額(投票数に100円をかけたもの)を表にして示す。

馬番馬名7:599:0210:0011:04確定
1フサイチコウキ239001270002637003672005223400
2ディスパーロ580017900597001068001079200
3メルボルンシチー140034001220018100157800
4ローランバーク20000472001378002267004502900
5アグネスカルミア44400762001838002740003072600
6モンプティクール28100497001410001953002808300
7マグネティックマン11003600760012700114800
8コアレスピューマ230088002810053100408700
9インプルーヴ340021100926001284002009000
10フリーモア5700286006380095600503200
11ソロターン70064001770022200315000
12アンテリオール40018005300910071500
13オオヒメ10900416001083001597002158400
14トーセングラマー1720040500955001391001776700
15ブルーチェイサー1000250090001460077100
16アポロラムセス34800994003032004962008864700
合計額2011005757001529300231880033143300

 表を見ればわかるように、9番インプルーヴの単勝馬券は、7時59分から10時までの約2時間の間に8万9200円(= 9万2600円 − 3400円)売れている。これによって、オッズが47.1倍から13.6倍に下がったのである。額としては少ないが、そもそもこの2時間で単勝馬券の売り上げ総額自体が132万8200円(= 152万9300円 − 20万1100円)しか増えなかったため、このように大きくオッズが動くことになっただけのことである。
 また、同レースの単勝馬券の売り上げ総額が、7時59分には20万1100円(最終的な売り上げ3314万3300円の約0.6%)、9時2分には57万5700円(約1.7%)、10時00分には152万9300円(約4.6%)、11時04分でもまだ231万8800円(約7%)であることもわかる。全体の0.6%や1.7%や4.6%しか売れていない時点でのオッズの変動をうんぬんしてみても得るものはない。
 つまり、「過剰投票」かどうかは、オッズの変動だけを見て判断すべきものではなく、投じられた票数そのもの、単勝馬券がいくら買われたのか、その金額で判断すべきなのである。
 
 さらに、上記の引用の後には、下記のような誤った記述が続く。

同馬の単勝売り上げは3300万円強ですから、総額で2000万円前後が関係者によって購入されたことになります。絶対に勝つという確信がなければこれだけの投資はできるわけがありません。

 インプルーヴの単勝売り上げは200万9000円である。同レースの単勝馬券の全売り上げが3314万3300円であることから、著者はこの数字をインプルーヴ一頭の単勝売り上げと誤認しているものと思われる。
 また、インプルーヴの単勝オッズが朝の2時間の間に三分の一に下がったという事実から、同馬の単勝馬券の全売り上げの三分の二がこの2時間の間に買われたものと誤認しているとも思われる。そうじゃないと「同馬の単勝売り上げは3300万円強ですから、総額で2000万円前後が関係者によって購入されたことになります」とは書けないだろう。前述したように、朝の2時間の間に売れたのはたったの8万9200円である。

 著者は9番インプルーヴの勝利を確信し、単勝1000円、複勝2000円に加えて、1番人気、2番人気、3番人気への馬単を各1000円買う。
 予想どおり(というか、著者の無根拠な推理どおり、なぜか)インプルーヴは勝った(まさに結果オーライ!これもまた競馬だ!)ものの、2着は4番人気の5番アグネスカルミア。この結果に対する分析がまたふるっている。

八時前に一番人気だったということは、関係者が多額に購入していたということなので、当然押さえる必要がある馬券でした。結果論ですが、一点買いで馬単万馬券も不可能ではなかったのです。

 確かに5番アグネスカルミアは7時59分の時点では一番人気だった。ただしこれは、その時点では総額で20万1100円しか売れていなかった単勝馬券のうち、アグネスカルミアの単勝が4万4400円分売れていたから、一番人気になったに過ぎない。これが「関係者が多額に購入していた」ということにあたるのだろうか?
 
 私は残念ながら知的な人ではない。だから、どうやら、この「知的な人の馬券術」は、私には向いていないようだ。


2009-4-14

jQshadowbox プラグイン

 

 JavaScriptライブラリjQuery、およびjQueryを含む複数のJavaScriptライブラリに対応したLightBox風スクリプトShadowboxを用いたFreeStyleWiki用のプラグイン。
 ダウンロードはこちらから。
 
 jQzoomi プラグインjQubox プラグインと、似たようなプラグインを作成してきましたが、このプラグインが決定版では!?
 
 ページに貼り付けられている画像のサムネイル画像を表示し、そのサムネイル画像をクリックすると元画像を表示するプラグインです。画像は、BugTrack-plugin/261の直リンク画像表示プラグインを用いて、ページに貼り付けられていることが必要です。

{{jqshadowbox G1.jpg,jQcycle プラグイン テスト}}

 「G1.jpg」は、表示する画像ファイル名です。省略した場合には、該当するページに貼り付けられているすべてのファイルを並べて表示します。
 「jQcycle プラグイン テスト」は、画像が貼り付けられているページ名を示し、省略された場合はプラグインが記載されているページになります。
 
 以下はファイル名を省略した場合の表示例。スライドショー表示ができます。

{{jqshadowbox  ,jQcycle プラグイン テスト}}

 
 本プラグインの使用例はこちらをごらんください。

文書型宣言と表示モード

 FreeStyleWikiの文書型宣言は、tmpl/site/default/default.tmpl の一行目に、以下のように記載されています。

<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN">

 この宣言の場合、FirefoxやChromeなどのブラウザでは「標準モード」の表示になりますが、IEでは「互換モード」の表示になります(参照)。
 一方、Shadowbox.jsは「標準モード」でないと動作しません(参照)。
 よって、tmpl/site/default/default.tmpl の一行目を以下のように書き換えて、IEも「標準モード」で動作するようにします。

<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/loose.dtd">

参考および関連情報

ToDo

2009-4-5

等々力緑地の桜

 

2009/04/05(日)撮影
 
 そろそろ満開かと思い、朝の散歩がてら、等々力緑地へ桜見物に行ってきました。
 ですが、満開にはほんの少し早く、九分咲きといったところでしょうか。
 それにしても、我ながら写真が下手ですね。
 ちなみに去年の桜はこちら

 いつの間にか Google Earth Plugin に「Date and Time Options」のゲージが表示されるようになってる!これが邪魔!
 KMLファイルに写真が取られた時刻を<TimeStamp>タグで埋め込んでるのですが、そのせいですかね(Google Earthでは以前から表示されていました)。
 


Google Earth で表示


2009-4-1

Ent プラグイン

 

 かなりどうでもいいプラグインですが……。
 Discogs プラグインの説明文を書くのに、EUC-JPには含まれていない文字を表示する必要に迫られたため、DiscogsのAPIを叩くために行っている処理のうち、HTMLの一般実体参照をデコードして文字にする、という機能のみを抜き出して、FreeStyleWiki用のプラグインにしてみました。

インストール

  • 以下のファイルをダウンロードし、plugin以下にインストールする。

使い方

 例えば、

BO{{ent Oslash}}WY

と書くと、
 
BOØWY
 
と表示されます。
 このように、引数として、HTMLの一般実体参照の先頭の「&」と後尾の「;」をとっぱらったものを与えると、その一般実体参照が示す文字を表示するという、ただそれだけのプラグインです。
 もともとは、FreeStyleWikiで採用されている文字コードであるEUC-JPには含まれていない文字を強引に表示するためのプラグインですが、{{ent amp}} と書くと、& が表示されるように、普通にEUC-JPに含まれる文字の一般実体参照も引数に取ることができてしまいます。そこはご愛敬ということで。
 プラグインの引数として取ることができるHTMLの一般実体参照は、下記のページから適当に拾い出しました。表示できないものがあったらごめんなさい。

 なお、数値文字参照(例えば「&#38;」のような表記)には対応していません。ご注意ください。

参考