印刷にちなんだ?馬名

最終更新時間:2007年11月19日 05時08分48秒

 2002年の高松宮記念やスワンSなどを勝ったショウナンカンプですが、
5代血統表 ショウナンカンプ

5代血統表 ショウナンカンプ

牡 9歳   父 9歳・母 9歳時産駒 1998年 鹿毛 (浦河町)
サクラバクシンオー

 1989年 鹿毛 (早来町)
サクラユタカオー

 1982年 栗毛 (静内町)
*テスコボーイ

 1963年 黒鹿 (英)
Princely Gift
 1951年
Nasrullah
Blue Gem
Suncourt
 1952年
Hyperion
Inquisition
アンジエリカ

 1970年 黒鹿 (静内町)
*ネヴアービート
 1960年 栃栗
Never Say Die
Bride Elect
スターハイネス
 1964年 鹿毛
*ユアハイネス
スターロツチ
サクラハゴロモ

 1984年 鹿毛 (早来町)
*ノーザンテースト

 1971年 栗毛 (加)
Northern Dancer
 1961年
Nearctic
Natalma
Lady Victoria
 1962年
Victoria Park
Lady Angela
*クリアアンバー

 1967年 黒鹿 (米)
Ambiopoise
 1958年
Ambiorix
Bull Poise
One Clear Call
 1960年
Gallant Man
Europa
ショウナングレイス

 1989年 鹿毛 (浦河町)
ラツキーソブリン

 1974年 鹿毛 (米)
Nijinsky

 1967年 (加)
Northern Dancer
 1961年
Nearctic
Natalma
Flaming Page
 1959年
Bull Page
Flaring Top
Sovereign

 1965年
Pardao
 1958年
Pardal
Three Weeks
Urshalim
 1951年
Nasrullah
Horama
ヤセイコーソ

 1977年 鹿毛 (新冠町)
タケシバオー

 1965年 鹿毛 (新冠町)
*チヤイナロツク
 1953年 栃栗
Rockefella
May Wong
タカツナミ
 1958年 黒鹿
ヤシママンナ
*クニビキ
メジロチドリ

 1972年 鹿毛 (浦河町)
*ベンマーシヤル
 1962年 鹿毛
Botticelli
Belladonna
メジロハリマ
 1967年 栗毛
*ネヴアービート
アサマユリ
[ネヴアービート]   9.38% 4 x 5
[Northern Dancer]   12.50% 4 x 4
[Nasrullah]   6.25% 5 x 5
[Nearctic]   6.25% 5 x 5
[Natalma]   6.25% 5 x 5


 馬主の国本哲秀氏印刷業だということから、てっきり「カンプ」は印刷の仕上がり見本のことだとばかり思いこんでいました。
 ふと思い立って、JRA-VANの馬名の意味由来のデータを参照してみたのですが、9歳馬ということで提供されていません。ですが、馬名のアルファベット表記が「Shonan Kampf」であることにいまさらながら気づきました。
 「Kampf」はドイツ語で「闘争」の意味。
 印刷の仕上がり見本の「カンプ」は英語の「comprehensive layout」が転じたものだということですので、あえてアルファベット表記するなら「Comp」か、日本語化しているということで「Kanpu」といったところか。
 ですので、「Shonan Kampf」であるショウナンカンプの馬名の意味由来をJRA-VANのデータ風に記すと、

冠名+闘争(独)

といった感じになりますか。印刷にちなんだ感じは全然ありません。
 ただ、印刷屋である馬主さんは当然「カンプ」が闘争だけでなく仕上がり見本をも意味することに気づいていたでしょうから、

冠名+闘争(独)(印刷仕上がり見本のカンプにもちなんで)

ぐらいでもいいのではないでしょうか。あくまで私の勝手な言い分でしかありませんが。
 
 ショウナンカンプは微妙なところですが、今年の菊花賞12着のデュオトーンは、あきらかに印刷にちなんだ馬名でしょう。JRA-VANの馬名の意味由来のデータには、

2色の

とあって、今ひとつ印刷がらみの馬名かどうかはっきりしませんが、アルファベット表記の「Duotone」を英和辞典で引くと「2色刷りの」「2色図版」とあるように、明らかに印刷用語です。
 しかし、このデュオトーン、毛色は鹿毛で、写真を見ても別に2色刷っぽくはありません。なぜこんな名前がつけられたのかと思い、馬主であるキャロットファームのウェブサイトを見てみると、

父母血統の色調(tone)が融合し、活躍してくれることを願って。(英語)

とありました。血統は以下のようになっています。
5代血統表 デュオトーン

5代血統表 デュオトーン

牡 3歳   父 5歳・母 9歳時産駒 2004年 鹿毛 (浦河町)
タニノギムレット

 1999年 鹿毛 (静内町)
*ブライアンズタイム

 1985年 黒鹿 (米)
Roberto

 1969年 (米)
Hail to Reason
 1958年
Turn-to
Nothirdchance
Bramalea
 1959年
Nashua
Rarelea
Kelley's Day

 1977年
Graustark
 1963年
Ribot
Flower Bowl
Golden Trail
 1958年
Hasty Road
Sunny Vale
タニノクリスタル

 1988年 栗毛 (静内町)
*クリスタルパレス

 1974年 芦毛 (仏)
Caro
 1967年
Fortino
Chambord
Hermieres
 1958年
Sicambre
Vieille Pierre
*タニノシーバード

 1972年 栗毛 (米)
Sea-Bird
 1962年
Dan Cupid
Sicalade
Flaxen
 1968年
Graustark
Flavia
*タイキタムレット

 1995年 鹿毛 (米)
Theatrical

 1982年 (米)
Nureyev

 1977年 (米)
Northern Dancer
 1961年
Nearctic
Natalma
Special
 1969年
Forli
Thong
Tree of Knowledge

 1977年
Sassafras
 1967年
Sheshoon
Ruta
Sensibility
 1971年
Hail to Reason
Pange
Patently Clear

 1988年
Miswaki

 1978年 (米)
Mr. Prospector
 1970年
Raise a Native
Gold Digger
Hopespringseternal
 1971年
Buckpasser
Rose Bower
Badge of Courage

 1983年
Well Decorated
 1978年
Raja Baba
Paris Breeze
Tamerett
 1962年
Tim Tam
Mixed Marriage
[Hail to Reason]   9.38% 4 x 5
[Graustark]   9.38% 4+5 (父方)


 兄弟では初めての勝ち上がり馬ですが、祖母Patently Clearの一族には、NHKマイル勝ちのタイキフォーチュン、クリスタルC勝ちのタイキダイヤ、NZT勝ちのタイキリオンなんかがいてなかなかのもの。ただ、活躍馬は皆せいぜいマイルまでの短距離馬ばかりで、デュオトーンのようなステイヤーはいません。
 父タニノギムレットに母父Theatricalは今のところデュオトーンしかいないので、父ロイヤルチャージャー系に母父Theatricalで調べてみると、56頭中2100m以上のレースで勝ってるのはデュオトーンとロロ(父フジキセキ)の2頭だけ。良績は2000m以下に集中しています。
 でも、タニノギムレットも、Theatricalも、別に短距離専門という感じはしないので、デュオトーンは、まさに血統の色調が融合して生まれたステイヤーだということなのでしょう。怪我で休養中のようですが、今後、長距離戦線をわかせてくれることを期待しています。