「みかけはこわゐがとんだいゝひとだ」の再現
2008/02/10放送の「新日曜美術館『江戸っ子の意気 ここにあり 歌川国芳』」で、「みかけはこわゐがとんだいゝひとだ」という、何人もの裸の男の体を組み合わせて一人の男の顔に見せている「寄せ絵」を、実際の人間で再現するという実験を行っていました。
問題の絵はこれ。
で、再現がこれ。
ゲストの高橋克彦は「百年以上もたってから、こんな馬鹿なことをする人がいるとは、国芳も想像しなかったろう」と言ってましたが、実はバカは他にもいたのです。
十年以上前、すでに「探偵!ナイトスクープ」で石田靖探偵が試していました。
その時の再現がこれ。
どちらが浮世絵の顔に近いかというと、新日曜美術館版の方かと思いますが、「パッチを履いてたんでは、鼻の部分の曲線が出ない」という理由でスッポンポンになった石田探偵の熱意を買って、この対決、探偵!ナイトスクープ版の勝ち!
高橋克彦は、国芳は実際に弟子を使ってこの寄せ絵を再現してたんじゃないか、との意見でしたが、新日曜美術館版の方をよく見ればわかるように、体の下にクッションを入れたりして、再現するのにかなり苦労しています。
私は、実際に試したりせず、頭の中だけで構成した絵なのではないかと思います。実際に試してないので、再現するには無理があって、それでクッションが必要になるんじゃないかと。
また、国芳は猫を使った寄せ絵も残しています。
猫はじっとしててくれませんから、どう考えてもこれは想像だけで構成して描いた絵でしょう。
「みかけはこわゐがとんだいゝひとだ」も同じように想像だけで描いたのではないでしょうか。まあ、こう考える方が普通ですか。